県立図書館で『源氏物語』の注釈書『萬水一露(ばんすいいちろ)』(写本)の複製本を初公開します
2012-02-15
県立図書館では、郷土に受け継がれた貴重な歴史資料の収集・保存・公開を行っており、その一環として、下記のとおり、『源氏物語』の注釈書である『萬水一露(ばんすいいちろ)』(写本)の複製本を初公開します。
平安時代末期以降になると、古典文学の名作である『源氏物語』の様々な注釈書が作られましたが、中でも『萬水一露』は、物語をより深く読み解くための必須の注釈書とされ、多くの写本も作られました。
現在までに、『萬水一露』の原本は確認されておらず、国立国会図書館が所蔵する写本が比較的原本に近いものと考えられています。
当館が所蔵している写本は、この国立国会図書館の写本と幾つかの類似点が見られ、また、全54冊のうち、51冊(3冊欠本)もの冊数が揃っています。
さらに、蓮池藩鍋島家に伝わる資料でもあり、当時の蓮池藩において、高い文化・芸術意識が育まれていたことも窺わせる大変貴重な資料です。
是非、多くの方々に、この『萬水一露』(複製本)を御鑑賞いただくとともに、源氏物語の研究や郷土の歴史・文化の研究などにも大いに御活用ください。
1 『萬水一露』について
○製 作 16世紀
○作 者 連歌師(れんがし)である能永閑(のとえいかん)(生没年未詳)とされています。
2 県立図書館所蔵の『萬水一露』写本について
○年 代 寛文~元禄(1661年~1703年)前後の写本と考えられます。
○数 量 51冊(「蓬生(よもぎう)」、「行幸(みゆき)」及び「鈴虫」が欠本です。)
○寸 法 縦 21.5センチメートル 横 16センチメートル
○装 丁 列帖装(れっちょうそう)
(紙を何枚か重ね、中央で括って折ったものを複数まとめ、折り側を閉じたもの。物語や歌集などの伝統的な本に多く見られる装丁です。)
○状 態 一部に丁(ちょう)(ページ)の欠落、虫喰いや水分による資料の劣化が見られますが、全体的に良好な状態です。
3 複製本の公開について
○公開開始日:平成24年2月14日(火曜日)
○公開場所:郷土資料室に配架していますので、御自由に御覧ください。
4 問い合わせ先
県立図書館資料課 郷土調査担当(0952-24-2900)